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糖尿病を予防するための飲み物

糖尿病予防に役立つ飲み物

緑茶

糖尿病予防に役立つ飲み物の筆頭に挙がるのが、緑茶です。緑茶に含まれるカテキンという成分には抗酸化作用があるほか、血管を保護して動脈硬化を防ぐ働きもあります。

マウスを使った米国の実験でも「緑茶成分を摂取すると、糖尿病と関連のある検査値が低下する」という結果が出ています(※注1)。

また、コーヒーもおすすめ。その理由はまだ研究中の段階ですが、コーヒーに含まれるカフェイン・ポリフェノール・マグネシウムなどの成分に、糖尿病抑制効果があるようです。

こちらも米国の長期に渡る調査の結果、コーヒーの飲用習慣がある人は、2型糖尿病の発症率が低いという結果が出ています(※注2)。

カフェインの有無に関わらずおすすめの「コーヒー」

コーヒーの糖尿病予防に関して、もうひとつ知っておきたいのがカフェイン抜きコーヒーの有用性です。緑茶やコーヒーに期待されている糖尿病予防の効果は、脳を覚醒させるカフェインの影響もあるのではないかといわれています。

しかし、カフェインは妊娠中の摂取が禁止されている刺激物であり、耐性の強さも人それぞれです。コーヒーを飲めない人の場合、糖尿病予防はできないのでしょうか?

じつはカフェイン抜きのコーヒーでも、通常のコーヒーより効果が落ちるものの、糖尿病予防効果を期待できることがわかっています。通常のコーヒーとカフェイン抜きのコーヒーを比較した実験では、「カフェインの有無に関わらず、継続的なコーヒーの摂取が血糖値の上昇を防ぐのに役立つ」という結果が出ました(※注3)。

注2で紹介したハーバード大学の研究内で引用されているアメリカの大規模調査でも、「カフェイン抜きのコーヒーは2割ほど効果が落ちるものの、コーヒーをまったく飲まないよりは糖尿病予防効果を期待できる」と結論づけられています。

妊娠中の方や、夕方以降にコーヒーを飲むと夜眠れなくなってしまう方は、カフェイン抜きのコーヒーを飲んで糖尿病リスクに対処しましょう。

血糖値の上昇を抑えるさまざまな「茶類」

糖尿病予防効果が期待されているのは、緑茶だけではありません。

  • 緑茶と同じくカテキンを含む番茶やプーアル茶
  • グァバ葉ポリフェノールを含むグァバ茶
  • 食物繊維量が豊富なごぼう茶
  • 東南アジアでは血糖値上昇対策の民間薬として認知されているバナバ茶

など、複数の茶類が血糖値の上昇を抑え、糖尿病の予防を手助けしてくれるのではないかといわれています。糖尿病のことを抜きにしても、日常的に十分な水分を摂取することは非常に健康的です。

まずは、糖質を含まないお茶やコーヒーの摂取を習慣化するところからはじめるといいでしょう。

食前に飲んで糖尿病予防に役立てたい「野菜ジュース」

野菜ジュースなどのメーカーとして有名な、カゴメ株式会社が2018年に発表した研究結果によると、「食前に野菜ジュースを飲むと血糖値の急上昇を予防できる」ことがわかっています(※注4)。

また同会社の2015年の研究では、「食中に野菜ジュースを飲むと野菜ジュースを飲まない場合に比べて食後血糖値が早く下がる」という結果も出ているのです。

ただ、市販の野菜ジュースには味を整えるために大量の砂糖を使っているものもあります。できれば、生の野菜や果物を買ってきて自家製ジュースをつくるか、砂糖不使用の野菜ジュースを選ぶ方法がおすすめです。

以下からは、糖尿病専門委である上野医師から、糖尿病予防に役立つ飲み物について説明していただきます。

監修医師情報

上野内科・糖尿病内科クリニック

院長 上野尚彦医師

清涼飲料水には要注意!

逆に糖尿病リスクを高めるため、避けた方が良い飲み物は何でしょうか?その筆頭に挙がるのが清涼飲料水。清涼飲料水の1本の中には、想像以上に多くの砂糖が入っているからです。

3gのスティックシュガーをイメージするとわかりやすいのですが、小さな缶コーヒーで6本分、果汁100%以下のフルーツジュースでも7~10本分、そしてコーラなどの炭酸飲料に至っては14~15本分というのだから驚きですね。また、近年一般的になってきた「カロリーオフタイプ」でも、250mlの缶で約4本分の砂糖が入っているので注意が必要です。

食事以外の時間に「のどの渇きを癒すため」という理由で、日常的にこれらの清涼飲料水を飲んでいたら、血糖値が高まってしまうのも無理はありません。

飲酒と糖尿病の関係は?

「お酒を飲むのが何よりの楽しみ」という人にとって、健康のための節酒や禁酒は越えがたいハードルとなります。果たして、糖尿病との関係はどうなのでしょうか?

まず適度の飲酒は、糖尿病の発病に抑制的に働くという研究結果があります。

その研究では、飲酒の頻度が「週に1日未満」の人と比べて、「週に3~4日」の人では2型糖尿病リスクが男性では27%、女性では32%低下しており、「飲酒の頻度」がリスク低減に影響することが明らかにされた、とのことです(※注5)。

しかし暴飲は危険。まずお酒には糖質が含まれているものが多く、血糖値の上昇を招きます。また肝臓や膵臓にダメージを与え、インスリンの分泌にも悪影響を及ぼします。さらに体内の「インスリン感受性」を鈍化させることも懸念されているため、ほどほどが肝心です。

飲み方のコツとしては、適量を守ること。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度に抑え、ほろ酔いをキープして下さい。また、すでに糖尿病を治療中の人は空腹時の飲酒に要注意。低血糖状態を招く危険があります。

いかがでしょうか?食事や飲酒などから摂取するものによって、インスリンなどのホルモン分泌にも影響が出てきます。糖尿病の予防改善に努めるため、食事に気を付けるとともに、ホルモンについての知識も深めましょう。

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