血糖値を下げる運動
血糖値を下げる運動法と運動をするときの注意点についてリサーチしています。
糖尿病の予防のためには、血糖値を下げることが急務。そのために運動はとても有効です。身体を動かすことで筋肉への血流が増加すると、ブドウ糖が細胞へと取り込まれやすくなります。また筋量の増加は、インスリンの効果を高めます。まさに運動には良いことだらけなのです。
それでは以下に、血糖値を下げるためにおすすめの運動法を紹介していきましょう。
有酸素運動
有酸素運動とは「運動しながら酸素を取り入れ、その酸素で脂肪を燃焼させる」という運動法。具体的には、ジョギングやウォーキング、水泳などが該当します。
有酸素運動は、身体のインスリン感受性を高めます。レベルとしては「ややきつい」と感じられる程度を目安にすること。ウォーキングなら、1回15~30分を1日2回程度が該当します。
効果的なウォーキングの仕方
まずは、正しい姿勢を意識しましょう。やや大股で、膝を伸ばして踵(かかと)から着地し、つま先で蹴り上げるようなイメージです。腕は自然に軽く振って、いつも歩くスピードよりも、少し早めを意識してください。少し汗ばむ程度が有酸素運動としては効果的です。
1日に3,000歩活発なウォーキングを行うだけでも、血圧値・血糖値を下げられるといわれています。ウォーキングと日常生活の歩行を合わせて1万歩程度歩けるのが理想です。(※注1)
運動を続けるコツは3つ
運動が、血糖値を下げるため、健康のためとわかっていても、なかなか毎日続けることは難しいですよね。ここでは、運動を無理なく、日常的に習慣化するためのコツをご紹介します。
1.最初から無理な運動はしない
一念発起して「よし、やるぞ!」と思い立っても、急に無理なプランを立てると、体を壊したり、つらくて続けられないと気持ちが折れてしまったりする原因になってしまいます。日頃、運動をしていなかった人は、運動に慣れるためにも10分程度のウォーキングなどから始めてみましょう。慣れてきたら、15分、30分と時間を増やしていきましょう。
2.1日のサイクルに確実に運動できる時間を見つける
運動を続けるためには、運動する時間を確保することが必要です。しかし、ここでも無理のある計画は禁物です。例えば、運動するための時間を「朝」にしたとします。「いつもより早起きしてウォーキングするつもりであったのに、前日の仕事疲れで寝坊してしまい、結局できずじまい…。」
このように、自分にとって無理な組み方をしてしまうと、運動自体が億劫になる原因になりかねません。夕食後、いつもテレビを見ている時間を、少しだけ運動の時間に変えてみるなど、無理なく組み込める時間を見つけてみましょう。
3.スマートフォンのアプリを使って可視化する
運動した距離や消費カロリー、歩数などが記録されるウォーキングやランニングのアプリを利用してみるのも手です。自分の成果を記録、可視化することで、より大きな達成感が味わえます。
また、一定数歩くとポイントが貯まり、ポイントを使って抽選に参加できるアプリや、歩いた距離に応じて、ゲームが進んでいくものもあるようです。それらを使えば、ウォーキングも楽しみになりそうですね。
筋力トレーニング
人間の身体内で、最もブドウ糖を取り込む器官は筋肉です。全身の筋量が減少してしまうと、行き場のない糖分が増え、血糖値も上がってしまうのです。
もし体力や時間に余裕がある場合は、ジムなどでマシンを使った筋力トレーニングを習慣にするとよいでしょう。難しい場合は、家でもできるスクワットや足上げ運動などを習慣にするだけでも、筋量アップにつなげていくことができます。
運動習慣のない人にとって、筋力トレーニングを毎日行うのは大きなハードルになりかねません。まずは若年層から高齢者までが、無理なく習慣づけられるウォーキングを実践してみるのがおすすめです。それだけでも高血糖の予防には、大いに役立ってくれます。
自宅で簡単にできる筋力トレーニング
腕が伸びる状態で壁に両手をつきます。足を閉じた状態で立ちます。そこから、かかとを上げて、ゆっくり下ろします。1日に10~20回を2~3セット、無理のない範囲で行いましょう。
運動するうえでの注意点
血糖値を下げるために運動を習慣づけるなかで留意しておきたい点がいくつかあります。まずひとつ目は「継続する」こと。いったん運動を始め、体内の状況が改善されても、すぐにやめてしまうと、また元の状態に戻ってしまいます。運動は血糖値の改善だけでなく、さまざまな面から健康の維持に役立ちます。ぜひ習慣化をして下さい。
次に気を付けたいのが食事量です。運動するようになったから、ふだんよりお腹が空くからといって食べ過ぎると、肥満を招いてしまいます。肥満によりかえって糖尿病リスクが高まってしまうのです。
また、医師の指示の下で薬物摂取などの糖尿病治療を開始している人は「運動のし過ぎ」にも注意が必要。薬物などで血糖値を下げた状態から、さらに運動をして血糖値を下げると、低血糖状態を招いてしまうことがあるからです。運動する際には念のため、軽食などを携行しておきましょう。