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糖尿病になりやすい食品まとめ

糖尿病のために食べてはいけないものは?

糖尿病リスクを高めてしまう食べ物には、どんなものがあるのでしょうか?その筆頭に挙がるのが、赤身肉や加工肉。これらに多く含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸が問題なほか、焦げ目に含まれる「糖化最終産物(AGE)」が、インスリンの分泌に良くない影響を及ぼします。また牛肉や豚肉には、インスリン耐性を持つ脂肪が多く含まれています。摂りすぎには注意しましょう。

白米やパンなど、日常的に口にする炭水化物にも要注意。摂り過ぎは血糖値の上昇を招くため、玄米や全粒粉パンなどを選ぶ心がけが必要となってきます。

もちろんケーキやお菓子などは糖質が多いため、なるべく控えたいもの。誘惑に負けて間食ばかりしていると、糖尿病リスクはどんどん高まると心しておきましょう。

糖尿病予防のために注意すべき食材一覧

ここまで見てきたように、糖尿病予防のためには特に「糖質摂取量」に注意をした方が良いでしょう。糖質を多く摂取してしまうと、血糖値が急激に上昇しやすくなってしまいます。

では、糖質が多く含まれる食品としては、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。以下の表で糖質が多く、注意すべき食品を紹介します(※注1)。

野菜類
  • レンコン、人参などの根菜類
  • かぼちゃ

野菜類は一見するとヘルシーで健康に良い、といったイメージを持たれるかもしれません。しかし、上記の野菜類は糖質を多く含んでいるため注意が必要です。

また、こうした野菜は煮物として食べられる場合も多く、その場合さらに多くの糖分が使われてしまう傾向があります。糖尿病予防のためには、摂取量を考えたほうが良いでしょう。

豆類
  • 大豆
  • 小豆
  • ソラマメ
  • きなこ
  • あんこ

豆類はタンパク質が豊富なことで知られていますが、糖質も多く含んでいます。

また、きなこやあんこなど、糖分と一緒に摂取する場合もありますのでそちらにも注意をしましょう。

イモ類
  • ジャガイモ
  • サツマイモ
  • 山芋
  • 里芋
  • 春雨
  • くずきり
  • 冷麺

主食として食べられている地域があることからも分かるように、イモ類は多くの糖質を含んでいます。

また、こうしたイモ類は糖類の中でもでんぷんを多く含んでいるため、春雨やくずきり、冷麺などの原料になっている場合もあります。

特に春雨などは一般的に「カロリーが低い」といったようなイメージを持たれている場合も多く、特に注意が必要です。

穀類
  • コメ
  • 小麦
  • とうもろこし
  • パン
  • うどん
  • 蕎麦
  • コーンフレーク

世界各地で主食として食べられていますが、糖質を多く含んでいます。糖尿病予防の観点からは特に注意が必要です。

お菓子・ジュース
  • 砂糖が含まれたお菓子
  • スナック菓子
  • 清涼飲料水
  • 果汁ジュース
  • エナジードリンク

言うまでもありませんが、菓子類やジュースなどは非常に多くの糖質を含んでいます。

糖尿病予防をしたいという場合、まず日頃、間食でこういった食品を摂りすぎていないかといったことから見直しをしていくことが基本となります。

調味料
  • ソース
  • 味噌
  • みりん
  • ケチャップ
  • はちみつ
  • 砂糖
  • カレー
  • シチュー

調味料に関しては見落としがちではあるものの、実は糖質を多く含んでいる場合があります。特にカレールーは、多くの糖質を含む上にご飯にかけて食べるという性質上、注意が必要です。

また、普段どちらかといえば濃い味付けが好きだという人の場合、できるだけ薄めの味付けに慣れるようにするなど食習慣を根本的に見直す必要があります。

糖尿病に特に注意したい食品解説

摂取しすぎてしまうことで糖尿病にどのような影響を与えるのか、気になる食品との関係を調べました。

1.酒

飲酒 糖尿病

お酒にはかなりのカロリーが含まれており、飲み過ぎるとアルコールの影響を受けるだけでなく、食べ物との組み合わせで肥満や糖尿病を引き起こす可能性があります。

アルコールの過剰な摂取を続けると脳の一部に悪影響を及ぼし、糖尿病のリスクを高めてしまう恐れも。

お酒を飲むと糖尿病になりやすい?

お酒を飲むことでストレス解消にはなるかもしれませんが、度を過ぎた量を飲むと健康を損なう原因となります。アルコールに含まれるカロリーは1g当たり7kcalで、これは脂肪の9kcalに次ぐ高いカロリーです。ついつい飲み過ぎてしまうのと、アルコールが食欲を高めことにより、食べ過ぎて肥満の原因になります

さらにアルコールには、インスリンの効きを悪くする「インスリン抵抗性」があり、2型糖尿病のリスクを上昇させることもわかりました。お酒はアルコールの作用のほかに、肝臓・膵臓の障害因子を介して血糖コントロールを困難にします。糖尿病の予防や改善においては、アルコールの摂取に十分注意しなければいけません。

お酒はインスリン抵抗性に影響する

お酒、つまりアルコールを過剰に摂取すると、脳の視床下部で炎症反応が引き起こされます。通常の状態だと、インスリン受容体へのシグナルが送られてインスリンと結びつきインスリンが働きます。しかし、炎症が起こることでシグナル送信が阻害され、インスリン抵抗性が強まり過食が引き起こされていると考えられています。(「受容体」とは、特例の物質や刺激にのみ反応し、その情報を脳などに伝える器官のこと。)

そもそもインスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪細胞でインスリンが正常に働かなくなること。インスリン抵抗性が強まった状態だと、膵臓からインスリンが分泌されても、肝臓や筋肉が血液中のブドウ糖を取り込まないため、血糖値が下がらずに糖尿病を発症してしまいます。

飲酒は糖尿病リスクを下げるってホント?

ここまで、お酒が糖尿病を引き起こすというお話をしてきました。しかし、お酒が糖尿病のリスクを下げるという説もあります。

たしかに、お酒は飲み過ぎると脳の一部の機能に悪影響を与えます。ただ、飲酒の頻度が「週に1日未満」の人よりも、「週に3~4日」の人のほうが2型糖尿病のリスクが低減することが明らかになりました。つまり、ほどほどにお酒を飲んでいる方が、飲まない人よりも糖尿病になるリスクが低いのです。

さらにお酒のなかでも種類別でみると、ワインのリスク低減効果が最も高く、男女ともに週に7杯以上を飲む人では、週に1杯未満の人と比べると2型糖尿病リスクが最大で30%低下したそうです。ワインほどではありませんが、ビールでは男性のみ週に1~6杯飲む人は、週に1杯未満の人と比べて21%低いという結果が得られています。

【種類別】お酒の糖尿病リスクを検証

お酒にはさまざまな種類があり、それぞれ糖質やアルコールの量が変わります。アルコールの中でも糖質を含む種類と含まない種類があり、日本酒やビール、ワインは糖質を含む種類です。反対に糖質を含まないお酒は蒸留酒とよばれるもので、ブランデーやウイスキー、焼酎などがあります。

蒸留酒 糖尿病

糖尿病患者が飲酒をする場合には、糖質が含まれない蒸留酒が良いとされています。ぜひ蒸留酒を選んでください。ただし、アルコール自体にインスリン分泌と感受性を抑える作用があるため、「糖質がゼロだから」と飲み過ぎないようにしましょう。

2.ラーメン

ラーメンの糖尿病リスク

ラーメン銀座

糖尿病のリスクをはらんだ食事として、ラーメンがあげられます。単品でもかなりの糖質を摂取することになりますが、特に恐ろしいのはその食べ合わせです。ラーメン単品でも糖質が多く含まれていますが、一緒に食べるものとして餃子やチャーハンなど、さらに糖質がたっぷりの食事を重ねてしまいがち。

ラーメンに半チャーハンや餃子を合わせて食べると、糖質+糖質の食事になって1日に必要な栄養にかなりの偏りが出てしまいます。1回の食事で含まれる糖質の量は、「しょうゆラーメン+半チャーハン」で127.7g、「しょうゆラーメン+野菜炒め」で89.1gです。このようにラーメンに含まれる糖質を知ることで、食品の糖尿病リスクを知ることができます。

ラーメンは塩分にも注意

ラーメンには塩分も多く含まれています。塩分を過剰に摂取してしまうと、血圧が上昇しすでに糖尿病を患っている場合には、腎臓にさらに負担をかけてしまいます。

塩分の1日摂取目安は10g以下、現時点で高血圧と判断されている人は、6g以下に抑えるのが理想の量といえます。

ラーメンは1杯食べるだけでも、1日の適正量バランスを崩してしまう可能性がある食事です。できる限り控えたほうがいいのですが、どうしてもラーメンを食べたい場合にはスープは飲み干さず、野菜をトッピングして食べるなどの工夫をしましょう。

インスタントラーメンとカップラーメンに注意

インスタントラーメンやカップラーメンを食べる際には、より慎重にならなければいけません。インスタントラーメンには炭水化物が多く含まれているだけでなく、かなり高カロリーです。油で揚げた商品とそうでない商品では若干の差がありますが、それでも通常の食事に比べるとかなり過剰気味に含まれています

さらに、塩分についても同様です。インスタントラーメンでは油で揚げたものは6.4g、そうでないものが6.9g、カップラーメンにはどちらも6.9gの塩分が含まれています。

1日の適正摂取量を調整しながら食事をするには、炭水化物やカロリーが多量に含まれるラーメンは適度に楽しむことが良いでしょう。

ラーメンを食べるときにはこうしよう

お店でラーメンを食べる時には、チャーハンや餃子ではなく野菜炒めやレバニラ炒めなど、おかず系のメニューと組み合わせるようにしましょう。糖質を減らすことで、糖尿病のリスクはぐっと減らせます。

ラーメンは、いまや日本のどこでも食べられる人気食の一つです。特に若い方が好む傾向にありますが、「大盛り無料」といった看板につられて普段よりも食べ過ぎてはいないでしょうか。ラーメンには炭水化物が大量に含まれており、それだけでお腹がいっぱいになることで、栄養バランスが崩れてしまいます。ラーメンは大盛で食べるよりも、サラダなどと併せてバランスを考えて食べるようにしましょう。

また、お得なセットで提供されるような糖質の重ね食いを控えることです。「ラーメン+餃子」、「ラーメン+半チャーハン」などは魅力的ですが、単品でも過剰気味な糖質をかなりオーバーしてしまいます。ラーメン単品だけでなく、その他の栄養も取れるバランスの良い食事を心がけましょう。

3.エナジードリンク

若者を中心に人気のエナジードリンクですが、脳や体の機能を活性化させるための糖分が大量に含まれており、飲み過ぎると悪影響を及ぼします。ここでは、エナジードリンクに含まれる成分の紹介や、糖尿病の予防をサポートしてくれる働きをする成分について解説。

エナジードリンクに含まれる成分とは?

疲れたときに飲むものの代表例としては、エナジードリンクがあげられるでしょう。滋養強壮や疲労回復などの効果に期待できるエナジードリンクには、以下のような成分が含まれています。

  • カフェイン
  • ブドウ糖
  • アルギニン
  • クエン酸
  • タウリン
  • オタネニンジン
  • ビタミンB

これらは、身体を動かすために使われるエネルギーの元であったり、ホルモン増加物質、皮膚や粘膜の状態を維持してくれる成分など、さまざまな働きがあります。

エナジードリンクは糖尿病を引き起こす?

エナジードリンクには、低血糖からくる脳の働きが鈍るのを防ぐために、糖分が多量に含まれているものが多くあります。たとえば「レッドブル」であれば、100mlあたり11gの砂糖類が入っています。そのため、疲れを感じているからといって毎日のようにエナジードリンクを飲み続けると、糖分の過剰摂取により糖尿病や肥満へとつながってしまう可能性があるのです。

エナジードリンクには、集中力を向上させるためにカフェインが含まれているものが多くあります。眠気覚ましとして飲む人が多いカフェインの成分には、すでに常用している薬との組み合わせによっては、障害を引き起こす危険性もありますので注意が必要です。

カフェインの与える影響

エナジードリンクなどの清涼飲料水に含まれるカフェインには、健康を維持するために望ましい摂取量があり、「成人で1日400mg未満に抑え、1回の摂取量が200mgを超えないように」としています。日本国内で販売されているエナジードリンクに含まれるカフェインの含有量は1本あたり100mg~200mg程度です。2本飲むと1日の摂取量目安を超える可能性もあります。エナジードリンクの中には1缶200mlの中に、680mgのカフェインを含んでいる商品もあるほどです。この量はコーヒー1杯の約8倍にあたります。

人間の体には、摂取した糖の量を調整しながら体中にめぐらせる「糖代謝」という働きがあります。カフェインが糖代謝に及ぼす影響は不明ですが、インスリン作用に直接影響し阻害する可能性や、インスリンとは逆に作用してしまうアドレナリンなどのホルモン分泌を促進するようです。アドレナリンが分泌されると、インスリンの機能を妨げているのではないかという可能性も指摘されていますので注意しましょう。

糖尿病を予防する成分も入っている?

近年のさまざまな分析により、エナジードリンクに頻繁に使用されているオタネニンジンには2型糖尿病の患者やそうでない人でも、限定的ではありますが空腹時の血糖値に良い影響を及ぼす可能性があるということが示されました。

この分析の1年後には、さらに2回の無作為抽出かつ対照実験を発表。オタネニンジンの効能が耐糖能異常を持つ人や、または2型糖尿病患者の人の血統制御を改善する役割を果たしてくれる可能性を裏付けるための証拠が提示されました。

ただし、市販されているエナジードリンクに含有されているオタネニンジンの量はかなり少なく、こうした発表の結果にはまだまだ議論の余地があるとされています。

糖尿病の予防には、摂取する食品が大事

血糖値が高くなることで、後に体に大きな障害を起こす糖尿病。初期の頃は大きな症状が無く、自覚症状もほとんどありません。そのため、無自覚が続いていつの間にか糖尿病が悪化しているという話がたくさんあります。

糖尿病を予防するには、食事で糖をコントロールすることが大切です。まず血糖値をあげないためには、食事をゆっくり噛むこと。人が食事を始めて満腹感を感じ始めるのに20分ほどとかかるいわれているため、糖を摂りすぎないためにも、食事は時間をかけてゆっくり食べるのを意識しましょう。

次にどのような食品を摂取するかが大事になります。糖質が少ない食べ物やインスリンの分泌を増やす食品を積極的に摂りましょう。

インスリンをつくる食品の補給が重要

糖尿病の予防に重要なインスリンですが、食事で糖質を制限をするだけでなく、摂取する食品でインスリンの分泌を促すのも大切です。

インスリンを作るための食品には、赤みの肉や魚、野菜に含まれるビタミンC、大豆に含まれるたんぱく質や亜鉛などのミネラルがあります。これらの食品の量が足りていないと、体はインスリンを作り出すことができません。また魚には、EPAやDHAといった血糖コントロールに欠かせない成分も含まれているため、より健康的な主菜としておすすめです。

糖の吸収を抑える

体に必要な栄養を摂取するうえで、糖質を吸収しすぎないのも大切です。糖の吸収を穏やかにするには、精製度の低い玄米や全粒粉のライ麦パンなどがおすすめ。麺類では、そうめんやうどんよりもそばがおすすめです。また、穀物以外では野菜やキノコ、海藻、こんにゃくといった食物繊維を豊富に含む食品をよく噛んで食べると、糖質の吸収を緩やかにできます。

最近では、グリセミック指数とも呼ばれる「GI値」にも注目が集まっています。これは食品ごとの血糖値の上昇度合いを示したものです。さまざまな食品のGI値が載っている表がいくつもあるので、普段の食事で糖質に気をつけながら意識をしてみましょう。

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