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糖尿病を予防する運動まとめ

糖尿病の予防改善に役立つ「運動」についての情報をまとめています。運動は、糖尿病の予防改善に大きな役割を果たします。いわゆる糖尿病予備軍の方や日々運動をしていないような人は、運動を始めましょう。

運動が糖尿病の予防に役立つ理由

  • 血糖値の低下を促す(特に食後の運動)。
  • 身体のインスリン感受性を高める。
  • 筋量を増加させることで、代謝が高まり、糖尿病の原因となる肥満が改善。

まさに良い事づくめですね。運動をすることによって、血糖値が下がるだけでなく、インスリンの効果が強まり、脂肪が減ることで、糖尿病のリスクを下げるのです。また、運動は糖尿病の改善だけでなく、全身の健康にも良い影響を与えますので、ぜひ積極的に取り組んでいきたいものです。

糖尿病予防に運動するときのポイント

  • 継続が大切。毎日は難しくても、週に数回程度は必ず実践する。
  • 有酸素運動と、レジスタンス運動(筋力トレーニング)の両方を行う。
  • 糖尿病の症状や合併症が現れている場合は、医師の指示で運動を行う。

糖尿病の予防や改善のために行う運動は、「美容のため」「他の競技に役立てるため」といった、一般的なモチベーションとは異なる点も多くなっています。糖尿病のための運動は、何よりも続けることが大事ですが、モチベーションが保てないことも。運動の糖尿病予防効果、よい運動方法、運動をするときの注意点など、糖尿病を予防するための運動についての情報をまとめています。

糖尿病予防に運動の継続が効果的な理由

食後に軽い運動を行うことは、食後の高血糖を予防することに効果的です。運動によって筋肉でエネルギーが消費され、血中のブドウ糖がエネルギーとして使われるからです。食後高血糖を予防することは、糖尿病や動脈硬化といった血管疾患の予防に効果があります。

これは運動の短期的な効果の一つですが、運動を継続して行うことで得られる長期的な効果は、糖尿病の発病リスクを大きく減らすことがわかっています。

インスリン抵抗性の改善効果は運動後3日で低下する

糖尿病発症のリスクとして、インスリン抵抗性の上昇があります。これは、インスリンは十分に分泌されていても、その働きや反応が不十分な状態です。本来筋肉は、血中のブドウ糖を取り込み、分解してエネルギーとして貯蔵する働きをしていますが、活動量の低下や運動不足によってこの機能が低下します。

継続的な運動を行うことで、この筋肉のブドウ糖の取り込みや代謝機能が改善され、インスリン感受性が上がり、インスリン抵抗性は改善されることがわかっています。ただし、この運動をして得られる、インスリン抵抗性の改善効果は運動3日後には低下し、1週間でほぼ消失することもわかっています。

このことから、定期的で継続的な運動がインスリン抵抗性の改善、糖尿病予防には重要だということがわかりますね。

体力スタミナの維持が糖尿病発症リスクを下げる

継続的な運動をすることで筋肉量が増え、消費できるエネルギーが上がります。その結果、基礎代謝が上がることで血糖コントロールが改善され、糖尿病予防になります。また、運動を継続して行うと、持久力・スタミナに関係する筋力がアップし全身持久力があがります。

東北大学の研究チームによる、男性2235名の23年間の追跡調査研究の結果では、全身持久力の基準を数年間満たしていると、その後の2型糖尿病発症のリスクが下がることが明らかになりました。特に運動習慣がなく、全身持久力の基準を満たせずにいる人の場合、全身持久力の基準を満たしている人よりも糖尿病発症のリスクは40%上昇するという結果になっています。

全身持久力を高く保つことは、糖尿病だけでなく肥満や血管疾患の予防にも効果があり、様々な疾患のリスクを下げることもわかっています。定期的な運動を継続し、全身持久力を維持することが糖尿病だけでなく様々な疾患の予防になります。

毎日の生活に約20分のウォーキングを加える

運動が糖尿病予防に効果があるとわかっても、改めて毎日の生活に運動を取り入れることはハードルが高いと感じることも多いでしょう。まずは運動習慣や時間を確保するよりも、毎日の生活に約20分歩く時間を加えてみましょう。

様々な研究から、1日1万歩を歩くことで生活習慣病の予防ができると言われています。しかし、平成29年度の国民栄養調査による1日平均歩行数は、男性 6,846 歩、女性 5,867 歩という結果になっており、1万歩には及んでいません。1日1万歩を歩くためのステップとして、まずは1日20分のウォーキングを加えることが推奨されています。

通勤中の歩行時間が10分以下の人は、21分以上の人よりも糖尿病の発症リスクが高いという研究結果もあります。約20分のウォーキングはおおよそ2000歩、距離で1.2㎞~1.5㎞と言われています。通勤で1駅分を歩くと約2000歩の歩行になるため、企業の健康管理室では1日1駅歩行を推奨しています。

糖尿病予防の効果を考慮すると、歩行のタイミングは食後がオススメです。日中は仕事をしている人も、ランチの後に20分の散歩や、帰社は遠回りをして歩く。社内であれば食後に階段を使うなどして運動を加えてみましょう。このように、1日の流れの中で、20分歩行を意識する、歩数計を使って1日1万歩を目指すなど、ハードルを下げて継続した運動を行うことが糖尿病予防に繋がります。

運動の糖尿病予防効果

「体に良いのはわかっているけどいざ運動をするのは大変」というめんどくさがりの人は、ここで運動の糖尿病予防効果をおさらいして、モチベーションを高めましょう。「続けるための工夫」も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

糖尿病の予防になる有酸素運動

ウォーキング、ジョギング、水泳などに代表される有酸素運動は、糖尿病の予防に良い影響を与えることで知られています。その仕組みやより良い実践法をリサーチしています。

糖尿病の予防になる筋トレ

糖尿病の予防改善に役立つ運動として筆頭に挙がるのは有酸素運動ですが、近年の研究で筋力トレーニングも有効であることがわかってきています。その詳細やおすすめの筋トレ方法を紹介しています。

運動をするときの注意点

糖尿病の予防のために始めた運動が、却って症状を悪化させるようなことがあっては大問題です。糖尿病予備軍ならではの注意点をまとめていますので、必ずご一読ください。

糖尿病予防に効果的な運動のタイミング

運動方法や運動を行うタイミングによる、血糖値の変化についての研究がすすめられ、より効果的に高血糖状態を防ぐ運動のタイミングが明らかになっています。継続的な運動をすることは、血糖コントロールの改善や内臓脂肪の減少によって糖尿病予防に繋がります。さらに、運動の短期的な効果にも注目し、血糖値を下げるのに最も効果のあるタイミングで運動を行えば、より効果的な糖尿病予防になります。糖尿病予防に効果的な運動のタイミングをまとめています。

血糖値を下げる運動のポイント

糖尿病の予防においては、血糖値が高い状態を防ぐことが大切です。血糖値を下げるためには運動をすることが必要です。しかしいざ運動習慣を取り入れようとしても、なかなか時間が取れないことも多くあります。そんな時に、まずは知っておいてほしい血糖値を下げる運動のポイントがあります。これを知っていれば、毎日の中の意識や工夫で血糖値を下げる習慣が身につきます。血糖値を下げる運動のポイントと簡単に取り入れられる工夫についてまとめています。

血糖値の低下が期待できるマッサージ法

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