血糖値の低下が期待できるマッサージ法
手軽に行えるマッサージを活用して血糖値を下げることで、糖尿病の予防に役立ちます。ここでは、血糖値の低下に一役買ってくれるマッサージ「麦踏み体操」「足の親指ほぐし」「太もも1点おし」について紹介します。
血糖値を下げるホルモンの分泌を助ける麦踏み体操
麦踏み体操のやり方
- 脚を平行に並べて握りこぶし1つ分開き、まっすぐに立つ
- 左右のかかとを同時に上げ、ストンと落とす動作をリズムよく30回繰り返す。ふくらはぎの筋肉が縮むのを意識する
- 左右のつま先を交互にゆっくりと30回ずつ上げる。ふくらはぎの筋肉が伸びているのを意識する
- 3までを1セットに、1日2~3セット行う
麦踏み体操の効果
麦踏み体操を行ってふくらはぎの筋肉に刺激を与えると、筋肉の内部にマイオカインという物質がつくられます。肥満の撃退や認知症・動脈硬化の予防などの健康効果が知られていますが、血糖代謝を改善して血糖値を下げる作用もあるのです。さらに、ふくらはぎを動かして足の血液を心臓のほうに押し上げることで、血流促進に導く効果もあります。
麦踏み体操で血糖値を低下できた事例
健康診断での空腹時血糖値が135~140mg/dl、ヘモグロビンA1cが6.9%もあったAさん。血圧も、最大血圧が160、最小血圧が100を超えていました。そんなときに、すすめられたセミナーで教えてもらったのが麦踏み体操。行う時間はとくに決めず、起床後やトイレに行くついでに実践したそうです。半年ほど経ってから血糖値を測ってみたところ、空腹時血糖値が110mg/dl、ヘモグロビンA1cが6.3%まで下がっていました。血圧も最大血圧が140、最小血圧が90まで低下。さらに、体重も自然に減っていったそうです。
血糖値の低下に働きかけてくれる足の親指ほぐし
足の親指ほぐしのやり方
刺激するツボ…太白(足の親指の付け根にあるふくらみの横のくぼみに存在する)、公孫(太白の指1本分後ろ側に存在する)
- 椅子に座り(床にあぐらをかいて行ってもOK)、右足を椅子か左太ももの上に乗せる
- 太白と公孫の間に手の親指を置き、指をずらしながら、2つのツボの間を押していく。痛気持ちいい程度に刺激する
- 10~15秒押す動作を数回くり返す。痛みを感じるところは重点的に押すこと。1日に何回してもOK。1日に1回しかできない場合は、1分程度刺激すると良い
足の親指ほぐしの効果
足の親指ほぐしで押す太白と公孫のツボは、脾経(ひけい)という経路に属します。脾は、東洋医学上で食べ物の消化・吸収をつかさどり、生命エネルギーの源をつくり出す場所。脾経を刺激することで消化器全般の働きを高めて、インスリンの分泌を促す膵臓の働きを良い方向に導いてくれます。右足だけを刺激するのは、均整術独自の考え方によるもの。体全体のバランスを整えるために、あえて片側だけを刺激するというやり方です。
インスリンを分泌しやすくする太ももの1点おし
太ももの1点おしのやり方
- ひざが直角になる高さの椅子に腰かける
- 左足の付け根からひざまでの中間点で、左右の中央。押したときに痛みを感じるところがツボの位置。両手の親指をツボに当ててグッと体重をかけ、5秒くらい押し続ける。
- ツボを押す動作を3回くり返す。1日に何度行ってもOK。
太ももの1点おしの効果
左太ももにあるツボは「糖尿穴」と呼ばれているもので、このツボを押すと血糖値の低下が期待できると同時に、左股関節が動きやすくなるケースがあります。血糖値が下がるのは、インスリンの分泌腺を持つ膵臓が体の左寄りにあることが関係しているとされています。ただし、このツボが効くのは、膵臓からのインスリン分泌が滞っている方と、左側の股関節が固くなっている方です。
太ももの1点おしが血糖値の低下につながった事例
残尿感があってスッキリしない日が続くのが気になり、病院で血液検査を受けたCさん。検査の結果、血糖値が200mg/dl、ヘモグロビンA1cが8.5%あり、糖尿病と診断されました。残尿感は膀胱炎の薬で治ったのですが、血糖値は糖尿病の薬を飲んでもなかなか下がらなかったとのこと。太ももの1点おしは、通っていた治療院で教えてもらいました。毎日続けるうちにそれまで感じていた痛みが軽くなり、血糖値も下がってきたそうです。数ヶ月が過ぎたころには、血糖値が110mg/dl、ヘモグロビンA1cが6.3%程度で安定するように。半年ほどで10kgの減量にも成功しました。