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糖尿病は完治可能か?

糖尿病は完治できないといわれていますが、本当なのでしょうか?ここでは、糖尿病の完治について解説します。

糖尿病は治る病気ではない

厚生労働省の公式HPでは、糖尿病の完治について以下のように記載されています。

糖尿病はひとたび発症すると治癒することはなく、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、末期には失明したり透析治療が必要となることがある。

引用:『糖尿病|厚生労働省

糖尿病完治は難しい

書かれている通り、糖尿病が完治することはありません。完治とは完全に病気がなくなり、元通りに生活ができる健康的な状態のことをいいます。糖尿病の場合、インスリン治療や食生活の改善をして血糖値が低くなったとしても、「数値が良くなったから元の生活に戻そう!」と生活を戻してしまえば、また糖尿病の症状が起こります

一度発症してしまったら完治することはないので、常に糖尿病に合わせた生活をしていかなくてはならないのです。

普通の人と同じ生活を送ることも可能

ただし、完治することはありませんが、血糖値をコントロールすることで普通の人と近い生活をすることは可能です。第53回欧州糖尿病学会(EASD)の発表でも、糖尿病は適正な体重に戻すことで、投薬なしで正常の血糖値を保てると発表がありました。ほぼ治ったといえる状態のことを「寛解(かんかい)」といいますが、この寛解にまで戻すことは可能なのです。

寛解状態にできるのは2型糖尿病の方です。生活習慣が原因となる2型糖尿病の方は、生活習慣を見直すことでインスリン投与なしでも通常通りの生活を送れるようになります。糖尿病患者の95%が2型糖尿病なので、多くの患者が寛解状態を目指せるでしょう。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

寛解状態にまで改善できるのは2型糖尿病の方で、1型の方には難しいのが現状です。

なぜなら1型糖尿病は先天性で、もともと体内でのインスリンの分泌が少ない体質のため、インスリン投与をやめることが難しいのです。食生活で糖分摂取を控えても元々のインスリン分泌量が少ないので、糖分が血液中に充満し高血糖となります。

一方、2型糖尿病の場合は、糖質の多い食事や運動不足が原因で糖分の消費が進まないために、血液中に糖分が溜まっている糖尿病のタイプです。この場合は、糖分量を調節すれば元々分泌しているインスリン量で足りるので、インスリン投与なしで寛解に至ることができます。

早期発見が大事

糖尿病の早期発見のために

糖尿病になると完治はできませんが、糖尿病になり切る前の「境界型糖尿病」であれば完治も可能です。

境界型糖尿病とは、血糖値が正常範囲よりも高い状態のことで、糖尿病になる寸前です。空腹時の血糖値は正常ですが、ブドウ糖を摂取した後だとインスリンが不足し血糖値が急上昇します。

境界型糖尿病を放置しておくと糖尿病に進行してしまう可能性が高いですが、この時点で発見し対応できれば糖尿病にならず完治できます。

境界型糖尿病かどうかは、「OGTT」という空腹時とブドウ糖接種時の血液を調べる採血検査で分かります。肥満体や親類に糖尿病の人がいる場合は、糖尿病の可能性が高いため、OGTT検査を受けることが日本糖尿病学会で推奨されています。親類にいなくても、不安な方は病院で検査を受けましょう。

今から予防しておかないと大変!糖尿病の予防方法をチェックしよう

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