糖尿病予防 完全ガイド » 糖尿病の基礎知識を紹介 » 糖尿病患者は長生きできない?その理由を紹介

糖尿病患者は長生きできない?その理由を紹介

ご存知の方も多いかと思いますが、糖尿病になると寿命が短くなってしまう可能性が高くなります。その死亡リスクは、そうでない場合と比較して2倍にもおよぶといわれているほどです(※注1)。

それでは、糖尿病になると寿命が縮まる理由とはどんなものでしょうか。以下で詳しく解説します。

理由1.血液中のブドウ糖増加により血管が老化する

ヘモグロビン

糖尿病によって寿命が縮む、もっとも大きな原因は「血管の老化」です。

糖尿病になると血液中のブドウ糖の量が増えるのですが、このブドウ糖が血管の細胞の中に入り込み糖アルコールへと変化します。

この糖アルコールをため込んだ細胞は膨張し、結果として細胞内における新陳代謝が不活発となります。そして代謝が行われないことにより老廃物が蓄積され、血管の細胞が老化していくのです。

血管は人体に酸素や栄養素を運ぶ機能を担っており、無くてはならない存在です。その血管が老化するということは「体全体が老化する」ことにつながり、結果として寿命も短くなってしまいます。

理由2.白血球の機能が低下し動脈硬化を引き起こしやすい

糖尿病とそれによって発生する活性酸素、そしてそれがもたらす動脈硬化もまた、寿命を縮める原因となります。

先にも述べたように、糖尿病では血液中のブドウ糖の量が増えるのですが、このブドウ糖が赤血球であるヘモグロビンと結びつくと活性酸素が発生します。

活性酸素はLDLコレステロールを酸化させるのですが、白血球はこの酸化したLDLコレステロールを異物として認識し、食べつくそうとします。

酸化LDLコレステロールを食べ過ぎた白血球はその機能を停止し、血管の内側に張り付くようになります。その結果、血管の幅が狭く、硬くなってしまいます。これが動脈硬化です。

動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすリスクを高めるため、寿命を短くする因子となります。

理由3.がんのリスクが2倍近く高くなる

糖尿病は、合併症として「がん」を引き起こしやすくすることも知られています。

特に、糖尿病においてリスクが高いのが肝臓がん、大腸がん、膵臓がんです。膵臓がんは全体としては比較的少ない種類のがんではあるのですが、糖尿病患者の場合はそうでない人に比べて2倍近くリスクが高まるとされています。

なぜ糖尿病によってがんが引き起こされるのか、その理由は現在も明確にはわかっていません。有力な説は以下のようなものです。

糖尿病になると膵臓がインスリンを大量に分泌するようになるのですが、このインスリンには細胞の成長や増殖を促す働きがあります。これにより細胞分裂の回数が増加することでエラーの発生確率が高くなり、エラーで生まれた細胞ががん化すると考えられているのです。

インスリンの働きを正常化するホルモンがある

体の中には「アディポネクチン」や「オステオカルシン」といったインスリンを助けるホルモンが存在しています。

アディポネクチンの働き

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を助けたりインスリンが効きやすい体にしたりと、糖尿病患者にぴったりの働きを持つもの。オステオカルシンは骨から分泌されるホルモンで、アディポネクチンと同じくインスリンの分泌を促す働きを持っています。

最近の研究で人間が持つホルモン1つひとつの働きが明らかになってきていますが、これらも新しく発見された1つ。こういったインスリンの働きを助けるホルモンについても調べておくと、糖尿病の改善・だるさの改善につながるでしょう。

ページの先頭へ