糖質制限による糖尿病の治療法
糖尿病に打ち勝つ食事療法のひとつに糖質制限という方法があります。ここでは、糖質制限のやり方や注意点、具体的な方法についてまとめました。
糖質制限食とはどんなもの?
糖尿病を治療する食事療法として利用される「糖質制限食」。医師の指導によって炭水化物のような血糖値を上げる糖質を減らし、その分を脂質とタンパク質で補う食事法です。ほかに、日本糖尿病学会が推奨しているカロリー制限食という方法もあります。この方法だと糖質ではなく、最もカロリーが高い脂質を控えます。しかし、脂質を抑えた食事はパサパサした食感で旨味がなく、腹持ちも良くないとのこと。
実際にこの方法で食事指導を行っていた医師の患者さんは、この療法だと長続きせず、血糖値のコントロールもうまくいかなかったそうです。そこで、その医師が試した方法が、糖質制限食とカロリー制限食の血糖値の上昇値の比較。糖質制限食のほうは血糖値がほとんど上昇しませんでしたが、カロリー制限食のほうは血糖値が大幅に上昇したそうです。
正しい糖質制限をするには
糖質制限を行って脂質を摂取する際は、どんな脂質でも良いわけではありません。ハーバード大学の研究によると、肉などの動物性脂肪を摂り過ぎた場合、がんや脳卒中、心筋梗塞になりやすいというデータがあります。つまり、糖尿病の方が糖質制限食を取り入れるときは、血糖のコントロールはもちろん、良質な植物性の脂質を摂ることが重要になるのです。また、タンパク質も忘れずに摂取しましょう。脂質とタンパク質は、肉や魚、大豆などをバランスよく食べると摂取できます。
具体的な糖質制限食の方法
一日の糖質摂取量を、日本人の平均した摂取量である270gとすると、一日の糖質摂取は135g程度まで制限するのが良いようです。一般的な糖質の量は、ご飯一杯につき55gほど。一日一食程度ご飯を減らすことで、糖質制限としての効果は十分にあるのです。
糖質にも、健康に良い糖質と悪い糖質があります。最も身近な糖質は白米や小麦粉ですが、これらは精製された炭水化物です。精製された白い炭水化物は血糖値を上げ、心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化による病気を併発するリスクを高めるという報告が、数多くの研究機関から発表されています。糖質を摂る際は、茶色くて精製されていない玄米を選ぶのがおすすめです。玄米は食物繊維やそのほかの栄養成分を多く含み、肥満や動脈硬化のリスクを下げるという報告があります。